解離定数とは?酸解離定数・塩基解離定数を詳しく解説【高校化学】

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今回は解離定数について解説していきます。化学平衡の概念を知らないと難しいと思うので平衡定数から学習したいという人はこちらの記事も見てみてください。

解離定数とは

まずは基本的なことをおさらいしましょう。

AB ⇄ A+ + B

このとき、化合物ABが水中でA+とBに解離している、と言います。

このような解離のしやすさを数値で示したのが解離定数です。

求め方は平衡定数と同じです。上の式の場合、解離定数Kは

\[K = \frac{[ A ^ + ][B ^ – ]}{[AB]}\]

と求まります。

「平衡定数と同じやん!!!」と思いますね。そうです!解離平衡は電解質が水に溶けているときの化学平衡。つまり解離定数は平衡定数の一種です。

しかし、このように視点を細かくしていくことで平衡について理解を深めることができます。

電解質の分類

電解質は水中で陽イオンと陰イオンに電離しますね。

このとき完全に電離するものを強電解質、一部だけが電離するものが弱電解質です。

強酸、強塩基強電解質なので完全に電離してH+やOHを水中に多く生じさせます。よって水溶液は強い酸性、塩基性を示します。

弱酸、弱塩基弱電解質の酸、塩基なので、一部しか解離しません。

酸解離定数とは

酸解離定数は酸の解離定数のことで、水中で酸が解離してどれくらいのH+を与えるかを示します。

強酸の酸解離定数

強酸の場合、完全に電離するのでHClの例を挙げると

HCl + H2O → H3O+ + Cl

のようになります。よって解離定数は

\[K _ a = \frac{[H ^ + ][Cl ^ – ]}{[HCl]}\]

となります。酸解離定数Kaのaはacidの略です。

完全に解離しますので[HCl] = 0となり、平衡定数は無限大になってしまうので、そもそも強酸の場合解離定数は不要です。

弱酸の酸解離定数

弱酸である酢酸の酸解離定数を見てみましょう。酢酸ナトリウムの解離は

CH3COOH + H2O ⇄ CH3COO + H3O+

よって、酸解離定数は

\[K _ a = \frac{[H ^ + ][CH _ 3 COO ^ – ]}{[CH _ 3 COOH]}\]

となります。

この酸解離定数から完全に電離していなくても水溶液中の現象を知ることができます。

水のモル濃度を無視できる理由ですが、溶媒が水の反応では水分子の量が圧倒的に多いため他の濃度に比べて反応の前後でほぼ一定と見なせます。

塩基解離定数とは

まぁ当たり前ですが、塩基解離定数は酸解離定数の塩基バージョンです。つまり、塩基が水溶液中で水素イオンを受け取る傾向がどのくらい強いかを示します。

酸解離定数はKaだったのに対し、塩基解離定数はKbで表します。bはbaseの略です。

強塩基の塩基解離定数

強塩基は強酸と同様で完全解離するため塩基解離定数は不要です。

弱塩基の塩基解離定数

弱塩基は一部が電離しますので、例としてアンモニアを考えてみると

NH3 + H2O ⇄ NH4+ + OH

となり、塩基定数は

\[K _ b = \frac{[NH _ 4 ^ +][OH ^ – ]}{[NH _ 3]}\]

と表せます。

今回は酸解離定数、塩基解離定数を解説しました。最後まで読んでいただきありがとうございました!

Kw = Ka × Kbについて知りたい人は以下の記事も見てみて下さい。

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